エル・クラン(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2
2016年12月07日

エル・クラン(ネタバレ)

テーマ:新作映画(2016)
エル・クラン

エル・クラン

原題:El Clan
2015/アルゼンチン 上映時間110分
監督・脚本・製作・編集:パブロ・トラペロ
製作:ウーゴ・シグマン、マティアス・モステイリン、アグスティン・アルモドバル、ペドロ・アルモドバル、エステル・ガルシア
脚本:ジュリアン・ロヨラ
撮影:フリアン・アペステギア
編集:アレハンドロ・カリーリョ
音楽:セバスティアン・エスコフェット
出演:ギレルモ・フランチェラ、ピーター・ランサーニ、ジゼル・モッタ、フランコ・マシニ、リリー・ポポビッチ、ガストン・コッチャラーレ、アントニア・ベンゴエチェア、ステファニア・コエッセル
パンフレット:★★★★(700円/事件の概要やらコラムやら音楽リストやら、必要な情報がちゃんと入ってる)
(あらすじ)
1983年アルゼンチン。裕福なプッチオ家は父と母、5人の子どもたちと幸せに暮らしていた。ある日、二男が通う学校の友達が誘拐され、姿を消す。以降、金持ちだけを狙った身代金事件が多発し、近所の住民たちが不安な毎日を送っていた。そんな中、プッチオ家の主のアルキメデスは、妻の作った夕食をなぜか2階にある鍵のかけられた部屋に運ぶという不審な動きをしていた。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




80点


※この記事は「シグマ15」に従って書いています。
※この映画に関しては、「なぜ犬は尻尾を振るのか。」さんの感想を読むと良いよ。


もうすっかり師走の今、初秋に公開された映画の感想をアップしてみますよ。予告編を観て「誘拐をビジネスにしていた家族が実在した!」ということにビックリしたので、前売り券を購入。なかなか足を運べなかったものの、10月下旬、恵比寿ガーデンシネマで鑑賞いたしました。「コイツは酷いぜ… (`Δ´;) ヌゥ」とドン引きしましたよ。一応、話を超雑に書くと、元秘密警察のオヤジが誘拐殺人ビジネスで稼いでくれるおかげで、一家はそれなりに裕福な暮らしが送れていたものの、最終的にはバレて逮捕エンド。ところが、「オヤジは獄中で弁護士資格を取得→出所しました」的なテロップが流れて終わってた気がします、確か。


記事の切り抜き。他の場所にも別バージョンの切り抜きが貼ってありましたよ。
記事の切り抜き

観終わった直後の僕の心境を代弁するサミュエル副所長を貼っておきますね(「範馬刃牙」より)。
こんなことがあっていいのか......?


なんて言うんですかね、良い映画というのはいろいろと考えさせられたりするものですが、本作もそういう1本。2つの点で、非常に自分の状況を重ね会わせて、イヤな気持ちになったというか。まず1点目は「イヤな父親モノ」だったなぁと。父親アルキメデスは「“家族を愛しているオレ”が何よりも好きな男」なんですが、あの有無を言わさず家族を従わせようとする姿勢は、自分の父や長姉を思い出して、ダウナーな気持ちになりました ('A`) ゲッソリ いや、長男のアレハンドロなんてラグビーで国の代表選手になるほどの男なのだから、体力的に劣る要素はないだろうに、精神攻撃で心を折られてしまう、あの感じ。今年はいろいろな家族映画を観ていますが、本作の父親が一番気持ち悪かったし、恐ろしかったです。


この父親、最悪でした。
イヤな父親


2点目は「見て見ぬ振りモノ」だったなぁと。なんか「サウルの息子」の元ネタになった短編「With A Little Patience(ちょっとのガマン)」を連想いたしました(言葉がわからなくても大丈夫なので観てみて!)。パンフで斎藤学先生が綾瀬の事件とか新潟の事件に触れていて、それらは究極かつ最悪のケースだとしてもさ、「とりあえず現状はなんとかなっているんだから、波風を立てないようにしよう」的な事なかれ主義って、まったく縁遠い話じゃないですよね。そりゃあ、小市民の処世術としては仕方ない時だってあるとは思うのですが、その積み重ねはいずれ破滅や悲劇を呼ぶような気がして、不安な気持ちになったりもして…。だから、音楽の使い方とか良かったような気がしないでもないし(うろ覚え)、長男がワンカットで“反逆の飛び降り自殺”を図るラストとかカッコ良かったけど、心から酷い実話だと思ったし、何よりもとても怖かったから、また「二度と観たくない映画」が増えました ┐(´ー`)┌ マイッタネ ブラックコメディというよりは「イヤな映画」だと思うので、興味がある人は気をつけて!




パブロ・トラペロ監督作。観ることはなさそう。



実録犯罪家族モノ繋がりで連想したけど、こっちは家族みんなでヒャッハー系だからなぁ。僕の感想はこんな感じ